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コンクリートの劣化 内部鉄筋の爆裂  [外壁調査]

建物の外壁の調査をしているとよく下の写真のようなコンクリートの劣化を見かけます。仕上げの塗装とコンクリートが剥がれ落ち、錆びて腐食した内部鉄筋が露出してしまっています。

発生の原因は次のようなことが考えられます。 コンクリート内の鉄筋がぶり厚さ(コンクリート表面から鉄筋までの距離)が少ないと、鉄筋が錆びてしまい腐食してしまいます。、鉄筋は腐食すると断面積が膨張します。膨張した鉄筋はコンクリートを圧迫するので、コンクリートにはひび割れが発生します。ひび割れが進行(劣化)すると鉄筋に沿ってコンクリートが剥がれ落ちてしまい、腐食した鉄筋が露出してしまいます。

言うまでもありませんが、コンクリート片の落下がこの過程で起こりますので場所によっては危険な状態といえます。

なぜコンクリート内の鉄筋が錆びるのか? コンクリート中に外部から雨水などの水分が浸み込んでしまうと、鉄筋に水分が触れることになり錆びてしまいます。また、コンクリート中のアルカリ分が大気中に含まれる二酸化炭素の影響で徐々になくなってしまうことでも鉄筋は錆びやすくなります。(コンクリートの中性化)

なぜ鉄筋のかぶり厚さが少ないのか? 単純には建物の施工時の問題です。鉄筋の配筋工事の際に鉄筋とコンクリートの型枠に基準値以上のすき間を適正に設けていないためにこのような状況が起こります。床や庇の下側などはこのような現象が発生しやすいので注意が必要です。

鉄筋の爆裂は物理的には劣化部を除去して補修出来ます。しかし、劣化し爆裂してしまった鉄筋は部分的に失われてしまった分、強度は失われたままになります。 ですのでこのような鉄筋爆裂は建物の維持管理上は避けるべき劣化といえます。

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▲ 階段の下に発生したコンクリート中の鉄筋爆裂(黒く筋になっている部分)

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